改正の内容
2019年1月より、「遺言書の目録部分は、自筆でなくてもOK」になります。
つまり目録については、第三者が代筆したり、パソコンで作成しても良いことになります。
ただし、目録のすべてのページに遺言者の自署・押印が必要です。また、目録への日付の記入は義務ではありませんが、目録を何度も作成した場合など目録が複数枚出てきて混乱しますので、日付も記入しておく方が良いでしょう。
リスク
自筆の遺言書の作成が容易になりますが、複数の遺言書ができてしまい混乱する恐れがあります。
また、財産目録を差し替えられて、財産を第三者に盗まれる恐れがあります。
まとめ
自筆証書遺言は万全な遺言書を作成するまでのつなぎと考え、安全性の高い公正証書遺言をおすすめします。
公正証書遺言は費用がかかりますが、様式不備で無効になったり、改ざん・破棄されてしまう心配がありません。
当事務所では、遺言書作成のためのサポートもしておりますので、いつでもご相談ください。
※掲載の記事は、2018年12月19日現在のものです。
認知症と遺産分割協議
最近の遺産相続の場では高齢化による問題が多く見受けられます。よくあるケースでは相続人の中に認知症の方がいる場合です。
遺産分割をするためには物事を判断する意思能力が必要であり、意思能力が欠如していると判断される場合には遺産分割協議書への署名・押印は無効となります。
手続き
分割協議を行うには、認知症の方の意見を代弁する成年後見人を申し立てる必要があります。その手続きは家庭裁判所で行います。裁判所への申立の際に遺産分割案の提出が求められ、その内容は認知症の方の法定相続分を確保したものでなければいけません。
後見制度の家庭裁判所の許可は数ヶ月要することが一般的です。相続の手続きを早くスタートさせる必要もあります。
相続対策などは困難になります
たとえば相続対策として、認知症の方の相続分を少なくすることは、家庭裁判所の許可がおりません。後見人の役割は認知症の方の財産を守り維持することだからです。
後見人を申し立てると、遺産分割にも制約がかかりますし、被後見人からの贈与も難しくなります。
また、相続手続きのために後見人を定めれば、認知症の方の財産管理は、亡くなるまで後見人が行うことになります。
まとめ
年齢を重ねれば思わぬ病気になることもあります。元気なうちに、相続を考え、遺言書を作成するなどの対策を打っておくことをお勧めします。
※掲載の情報については、2018年7月17日現在のものです。
国税庁から、7月2日に路線価が発表されました。国内の土地の評価の指標はいくつかありますが、それぞれの特徴をまとめてみました。
公示地価・路線価・固定資産税評価の違いとは
【公示地価】
公示地価は、地価公示法に基づいて、毎年1月1日における標準地を選定して、3月中旬頃に公表されます。
公示地価とは、一般の土地の取引に対して指標を与えることを目的としており、公共事業用地の取得価格などを決める際の基準としても用いられる評価額となります。
【相続税路線価】
一般的に「路線価」といわれているのが「相続税路線価」で、毎年7月頃に公表され、相続税や贈与税を算出する際に用いられる評価額となります。
路線価は、公示地価の80%相当となっています。
【固定資産税評価額】
固定資産税、都市計画税、登録免許税、不動産取得税の課税の際に適用されます。
土地の固定資産税評価額は、公示地価の70%相当となっています。固定資産税評価額は、3年に1度評価替えが行われます。
平成30年は評価替えの年です。
2018年の路線価からみる広島県の土地の動向
2018年の広島県内の路線価は、昨年より平均で1.5%上昇しました。前年超えは3年連続で、上昇率は0.3ポイント拡大しました。
広島市中心部は、広島駅南側で8~9%台、広島駅北側で5~10%台、本通は9%台、マツダスタジアム周辺は5%台と高い伸びを示しており、都市部の上昇が全体をけん引しています。
※掲載の情報については、2018年7月17日現在のものです。
年収850万円で195万円が上限
合計所得金額2400万円を超えると控除額が逓減し、 2500万円を超えると0円になる。
電子申告すれば65万円。10万円控除はそのまま。
今回の税制改正では、給与と年金の控除は減少しますが、基礎控除が増額されるので、プラスマイナス0となる方が多く、大きな影響はありません。
また、よつば会計では電子申告をしていますので、青色申告控除については影響はありません。
このように、今回の税制改正は、みなさんには大きな影響はないと考えられます。
※ 掲載の情報につきましては、2018年4月30日現在のものです。
健康保険協会等が発行する1年間の医療費支払金額の集計表です。
医療費の領収書の代わりに、医療費のお知らせが証明書として 使用できるようになりました。お知らせに記載されている医療費については、領収書の保管が不要になりました。(通常は5年間保管する必要があります。)
①今年度は、医療費のお知らせが届く時期が、2月後半~3月上旬と、利用しづらいものでした。
②医療費のお知らせには、1月~10月分までの記載しかありません。11・12月に支払った医療費や自由診療など保険の効かない医療費は記載されていませんので、従来通り、領収書の保管・集計が必要です。
医療費のお知らせで医療費控除の計算ができるようになれば、領収書の保管・集計をする手間が省けます。
しかし、現時点の医療費のお知らせのみでは、正確な医療費控除の計算ができません。これらの問題点が改善されるまでは、従来通り、領収書の整理をしておくことがよいでしょう。
※掲載の情報については、2018年4月30日現在のものです。
前回のよつば通信でお伝えした通り、税務調査で申告漏れが指摘される財産の80%は金融資産です。そのほとんどが家族名義となっている預金や保険契約です。どういったものが相続税の対象となるかポイントを見ていきましょう。
家族名義の預金の中に被相続人の財産として相続税がかかるものがあります。いわゆる名義預金と呼ばれるものです。
税務的に名義預金と判定される預金については、そもそも贈与が成立していないので時効はありません。贈与が成立していれば贈与税の時効6年(故意や偽装仮装の場合は7年)が適用されます。
贈与の事実を明確にする(客観的な証拠を残す)
贈与契約書を作成する
贈与税の申告をする
銀行振込みで贈与する
贈与を受けた者が管理する
通帳・証書・印鑑は贈与を受けた者が管理する
未成年者は成人するまでその親権者が管理する
妻や子・孫の名義に預金を移した場合、税務上認められないケースが多くあります。上表にありますように、「預金形成の原資」・「贈与の事実」・「管理運用の実態」によって総合的に判断されますので、預金を動かす場合には注意が必要です。
※掲載の情報については、2017年11月22日現在のものです。
平成27事業年度(平成26年7月~平成27年6月)に行われた相続税の税務調査の件数は、11,935件でした。
相続税の申告件数は約5万6千件ですから、相続税の申告をした場合、2割の申告に税務調査が行われました。
税務調査によって、申告漏れが指摘されているのは8割超です。申告漏れが指摘された財産の内訳は、その他財産36.4%、現金・預貯金35.2%、土地・建物16.0%、有価証券12.3%です。その他財産には、保険金や保険契約の権利などが含まれています。 8割くらいは金融資産の申告漏れです。
(国税庁のホームページより)
相続税の申告書が提出されると、税務署は申告の内容について、銀行や証券会社など金融機関へ残高や口座の動きを確認します。確認するのは被相続人名義の口座だけではなく、配偶者や子供、孫などの家族名義の口座も調べられます。
この確認作業で、家族名義の預貯金が多いときは、その預貯金がどのように貯蓄されたかを調べます。
税務署が税務調査を行うかどうかを判断するとき、この預貯金の調査が最も重点的に行われているといっても差し支えありません。
売却した利益から3,000万円を控除する
ことができる制度です。
要件1 適用期間
・平成28年4月1日~平成31年12月31日の売却であり、なおかつ、
相続開始日から3年目の年末までの売却が対象となります。
例) 平成26年相続 ⇒ 平成29年12月31日まで
平成27年相続 ⇒ 平成30年12月31日まで
平成28年以降の相続 ⇒ 平成31年12月31日まで
(平成25年以前の相続は対象になりません)
要件2 対象となる資産
・昭和56年5月31日以前に建築された住宅
(適用を受けるためには、耐震改修工事を施す、又は、
取り壊して更地にする必要があります)
・マンションは対象になりません
・亡くなった人が、亡くなる直前まで1人で住んでいた住宅
(同居人がいた場合は、対象になりません)
その他の要件
・ 売却金額が1億円を超えていないこと
・ 相続から売却まで、居住・貸付などに使っていないこと
Q1 被相続人Aさんは、亡くなる一か月前に老人ホームに入所し、そこで亡くなりました。Aさんの住んでいた家を売却したいが、相続した空き家の3,000万円控除の特例は適用できますか?
A1 適用できません。
相続した空き家の3,000万円控除の特例の適用要件に、「相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を売却した場合」とあります。
亡くなった時点での居住の用に供されていた家屋(生活の拠点となる家屋)は、老人ホームとなるため、自宅は該当しないことになります。
Q2 被相続人Bさんは、亡くなる一か月前に体調を崩し入院し、そこで亡くなりました。Bさんの住んでいた家を売却したいが、相続した空き家の3,000万円控除の特例は適用できますか?
A2 適用できます。
上記の場合、一時的な入院であり、生活の拠点となる家屋は入院先ではなく自宅になります。
そのため、3,000万円控除の特例が適用できます。
全国的に増え続ける空き家問題の対策として創設された「空き家の3,000万円控除の特例」ですが、特例が使えない場合も多くあり、適用にあたっては細心の注意が必要になります。特例の適用にあたっては、事前に専門家にご相談ください。
平成29年9月1日時点の法令に基づいて、作成しております。
ご相談は無料です。お気軽によつば会計までご相談下さい。
(相続税の申告、詳細な計算を要する場合は有料となります)
TEL:082-234-0130
不動産管理会社設立の目的は、
不動産経営を個人から会社へ移すことにより、毎年の所得税の負担を軽くすることです。
不動産管理会社の活用によって、所得の集中を避け、所得税を節税するだけでなく、財産の増加を抑えることにより、相続税の節税にもなります。
課税所得が約700万円を超えると、所得税・住民税合わせて約33%の税率となります。このあたりが不動産管理会社の設立を検討する目安となります。
※課税所得とは、収入から経費をひいたもの(所得金額)から
さらに配偶者控除や基礎控除などの各種所得控除を差し引いた金額です。
個人の賃貸用建物を不動産管理会社に売却する方式が、所得の分散に最も大きな効果があります。
この方式の場合、賃貸用建物の家賃収入は100%会社のものとなります。
不動産管理会社に売却する建物は、一般的には次のようなものが適しています。
・事務所、倉庫、店舗等の収益性が高い建物
・借入金がない建物
・築年数が経過し、減価償却費などの経費がなくなった古い建物
※土地については、不動産管理会社に売却した場合、譲渡所得税がかかるので、個人に残します。
個人に対して地代を払うことにより、土地の相続税評価が20%下がります。
不動産収入の内容によって、やり方や効果は様々です。
まずは、現状の分析・効果のシミュレーションをしてみましょう。
※掲載の情報については、2016年10月1日現在のものです。
不動産所得が1人に集中している場合や、借入金の終わった古い貸家・アパートなどを持っておられる場合には、毎年の所得税が高くなります。
その理由は、所得税は所得が増えるほど税率が高くなる(累進課税)ため、所得が増えれば増えるほど高い税率が課され、税金の負担が大きくなります。
1人に集中している所得を、他の家族へ分散することにより、全体での税負担を軽減することができます。
【1人で1000万円の課税所得(※)がある場合】
所得税・住民税は約280万円
【2人で各500万円ずつ課税所得(※)がある場合】
所得税・住民税は1人約108万円、2人合計で約216万円
※課税所得とは、収入から経費をひいたもの(所得金額)から、さらに配偶者控除や基礎控除などの各種所得控除を差し引いた金額です。
所得を分散する主な方法としては、貸家建物を家族に贈与したり、不動産管理会社を設立して貸家建物を不動産管理会社に売却する、などの方法があります。
【事例】平成元年に4,000万円で建築したアパート(H28年固定資産税評価額 420万円)を贈与した場合
贈与時の建物の評価額 420万円×0.7=294万円
贈与税 約18万円、登録免許税 約9万円、不動産取得税 約13万円
このように、古い貸家やアパートなどを家族に贈与する場合には、贈与税等や名義変更の諸経費もそれほどかかりません。
※古い貸家やアパートの贈与を受けた人は、扶養に入ることができなくなる場合や、社会保険料を自分で負担しなければならない場合がありますので、事前に十分な検討が必要です。
※掲載の情報については、2016年9月1日現在のものです。