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税理士の手嶋です。

 

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先日、島根に行ってきました。

出雲大社は平成25年5月に約60年に1度の本殿の建替え、平成の大遷都が行われたことで、

平日にもかかわらず大賑わいでした。

駐車場には日本各地のナンバーの車が並び、景気が良くなっているのかな~と、

ちょっと思いましたね。

 

さて、本日は贈与についてです。

「贈与」という言葉は税法ではなく、民法により定義されています。

これを借用概念といいます。

では、民法で贈与について確認してみましょう。

 

民法549条 

贈与は、当事者の一方が自己の財産を、無償で相手方に与える意思表示をして、

相手方が受諾することによって、その効力を生ずる契約である

 

簡単に言いますと、贈与者の「あげます」、受贈者の「もらいます」という

双方の意思表示があれば贈与契約は成立するということです。

 

ということは、一方だけの意思表示では、原則として贈与契約は成立しません。

したがって認知症により意思表示ができないといった場合には、贈与は出来ないことになります。

 

また法律的には、契約書を作る必要はなく、口約束だけでも契約は成立します。

ただし口約束で事実を証明するのは難しいでしょう。

 

事実をはっきりさせておきたいときは、やはり贈与契約書を作成し、

記名ではなく自署のうえ捺印をすることをお勧めします。

 

その他、作成日付の事実証明には、公証役場で付与される確定日付があります。

700円の費用で、その日にその文書が存在していたことを証明してくれます。

税理士の手嶋です。

 

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今日は10月10日です。49年前の今日、東京オリンピックが開幕しました。

ちなみに今年の体育の日は10月14日ですが、少々違和感がありますね。

 

さて、今日は贈与についてです。

「110万円までの贈与は非課税です。」

これ正しいでしょうか?

わかるのですが、これも違和感があります。

 

まず非課税とは何か?

贈与税は、原則として贈与を受けたすべての財産に対してかかりますが、

その財産の性質や贈与の目的などからみて、限定的に11の項目について

贈与税がかからないことになっています。

 

例えば次のようなものが非課税です。

・扶養義務者から生活費や教育費に充てるためにした財産の贈与

・宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者にした財産の贈与

・個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞いなどの金品の贈与

 

条文の中に、110万円までの贈与が非課税とは書かれていません。

 

では110万円は何か?

110万円は基礎控除です。

基礎控除とは税金の計算上、一定の金額を課税標準から控除する制度です。

 

課税対象贈与110万円から基礎控除110万円を控除し、課税標準が0円になるから

税金がかからないのです。

 

したがって冒頭の文章は

「110万円までの贈与には贈与税はかかりません。」だとスッキリします。

 

ところでどうしてこのような制度があるのでしょうか。

もし基礎控除がなかったら、ちょっとの贈与でも贈与税の申告手続きが必要になります。

納税者も手間ですが、課税庁も申告書がたくさん提出され、事務処理が膨大になります。

そういった事情もあって110万円までの贈与については申告不要となっています。

 

今日の内容は、やたらと細かいことを気にする性格のように思われそうですが、

ちょっと正確に言ってみたかっただけです。

税理士の手嶋です。

 

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先日、妻の実家で稲刈りの手伝いをしてきました。天候にも恵まれ、

とても気持ちの良い汗をかきました。

普段インドアで仕事している分、外で体を動かすのはいいものです。

 

労働のご褒美は採れたての新米でした。

前日まで田んぼで実っていたお米を食べることができるなんて、贅沢ですよね。

新米は色つや、香り、食感、味と文句なしにおいしいかったです。

実りの秋に感謝、ごちそうさまでした。

 

 

さて今日は印鑑のお話です。

 

自筆証書遺言の作成をする場合には

①   本人が遺言の全文を記載すること

②   作成した日付を記載すること

③   自分で署名し捺印すること

が要件になります。

 

このとき捺印は、実印の必要はなく認印でも法的効力はあります。

 

しかし、ひとたび遺言書について、誰が作ったのか、本当に正しいのか、偽造ではないのかと

相続人間で争いになった場合には実印と認印では事実の立証の手間が違ってきます。

 

京都の老舗かばん屋さんの相続では、遺言書が2通発見され、一つには実印、

もう一方には認印が使われていました。

 

認印が使用された遺言書について裁判になり、

「重要な文書なのに認印が使われるのは極めて不自然。真正な遺言書とは認められない」

との判決が出ています。この裁判は最高裁まで行き、判決が確定しています。

 

遺言書の作成にあたっては、このような事実認定の争いを避けるためにも、

公正証書遺言の作成をお勧めしています。

しかし手間、費用などを考えて自筆証書遺言を作成する場合には、

重要な書類ですから実印を使用した方が安心かもしれませんね。

税理士の手嶋です。

 

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最近ニュースで男性の生涯未婚率が20%台になったと報じていました。

以前に比較すると未婚男性が増えたのでしょうが、他の国と比較したらどうなのでしょう。

一方で、二度、三度結婚する人もいます。

今日はそういう人の相続に関係する話です。

 

夫は再婚、妻は初婚の夫婦です。

夫と妻との間に子供はいません。

夫と先妻との間には子供がいます。しかし長い間連絡をとっておらず、絶縁状態です。

夫の財産は不動産(マンション)と預貯金、そして生命保険金です。

夫は、先妻の子供とは絶縁状態のため、遺産は妻に相続させる旨の内容を伝えていました。

 

上記の例で夫に相続が発生した場合を考えてみます。

 

この場合、夫の相続人は、現在の妻と先妻の子供の2人になります。

そして法定相続分は妻2分の1、先妻の子供2分の1です。

 

不動産と預貯金については分割協議の対象となります。

したがって妻は、全く面識のない先妻の子供と話し合いのうえ遺産を分割し、

分割協議書を作成することになります。

 

スムーズに分割協議がまとまれば良いですが、まとまらなかったら大変です。

分割協議書がなければ不動産も預貯金も名義変更が出来ません。

 

ただし、“妻に不動産と預貯金を相続させる“旨の遺言書があれば、

分割協議をしなくても遺言書により不動産と預貯金を妻の名義に変更できます。

 

生命保険金については分割協議の対象にはなりません。

民法上の財産ではないため不動産や預貯金とは取り扱いが異なり、

保険契約で定められた保険金受取人に保険金が支払われます。

したがって、妻が保険金受取人に指定されていれば妻に支払われます。

 

ポイントは

①    財産によって遺産分割の取り扱いが違うということ

②    相続人の関係によっては遺言書が非常に有効であること

の2点です。

 

「遺言書さえあれば…」ということにならないように、気の重い大変な作業ですが、

似たような状況にある方は、残された人のことを考えて、遺言書の作成をお勧めします。

 

税理士の手嶋です。

 

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土地建物を相続したにもかかわらず相続登記をしなかったために,不動産の名義が

先代名義あるいは先々代名義のままの不動産を見かけることがあります。

 

これらの不動産は売却等となったときに権利関係者が複数名になる場合がほとんどです。

 

実際にあった例では、不動産の権利関係者を司法書士に調べてもらったところ、

総勢50名以上になり、そのうちには海外に移住している方もいたために名義変更を

あきらめた例もありました。

 

相続登記はすぐに行わなくても困ることがない場合もありますが、

先々のことを考えるときちんとしておくべきです。

 

実務上の注意点としては、固定資産税の課税明細に記載されているものは大丈夫ですが、

固定資産税が非課税の墓地や保安林などは忘れやすいので注意が必要です。

[2013.08.12]
お盆休み

税理士の手嶋です。

 

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先週末からお盆休みのところも多いようで、今朝は通勤の車が少なかったです。

 

お盆に田舎に帰れば、普段会えない親や兄弟姉妹も集まります。

特に初盆だと皆で集まり法要をして、それから相続の話し合いが行われることが多いようです。

 

私どもも相続人の皆さんが集まる機会にスムーズに話し合いが行えるように、

お盆に間に合わせるように財産目録を作成することはよくありますし、

説明にお伺いすることもあります。

 

相続税がかからない場合には期間を気にせず、じっくり話し合いをしても構いませんが、

相続税がかかる場合には申告期限と納付期限は亡くなってから10カ月と決まっています。

ですから皆が集まる大事なお盆という機会を有意義に使う必要があります。

 

そして相続財産が分割できるかできないかで税金にも影響してきます。

遺産分割がまとまっていないといろいろな軽減措置が使えないため、

多くの税額を納めることになります。

 

今年のお盆もたくさん話し合いがされるでしょう。

皆さんが納得できる遺産分割をし、気持ちの良い休暇を過ごせるといいですね。

[2013.07.09]
平成25年路線価

税理士の手嶋です。

 

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先週の話になりますが、7月1日に平成25年度の路線価の発表がありました。

5年連続の下落ということですが、近年の下落幅の縮小傾向は続いており、平成23年分以降は

3.1%→2.8%→1.8%と下落幅が少なくなりながら推移しています。

 

路線価は1月1日時点の価格であるため、アベノミクスの影響は受けていません。

アベノミクスが路線価に反映されるのは平成26年です。

実体経済に良い影響を与えていれば、来年は路線価が上昇するかもしれませんが、

一体どうなることでしょう。

 

広島市の最高地点は“中区胡町福屋百貨店前の電車通り”となっており㎡単価は1,770千円でした。

ちなみに過去最高金額も同じ場所で、平成4年に㎡単価10,720千円を付けています。

坪3,500万円って高いですね。

平成4年と平成25年では路線価に6倍もの開きが出ています。

商業地のため特に下落幅が大きいですが、住宅地でも3分の1程度の下落はあります。

 

土地の価格が下がったことは相続税に大きな影響を及ぼしました。

日本の資産家は土地持ち資産家ですから土地の評価が下がれば、

相続税を納める人は減少し、税収も少なくなります。

平成27年1月には基礎控除の引き下げが決まっています。

ここまで土地の評価が下がっていなければ、基礎控除の引き下げはなかったかもしれないですね。

税理士の手嶋です。

 

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今回も養子縁組についてです。

 

養子縁組をすると名前が変わる場合があります。

これがネックで養子縁組をためらう方もいます。

 

戸籍の動きでいうと、養子縁組をすると養子は実親の戸籍から、養親の戸籍に移ります。

養親の籍に入ることにより養親の氏に変わります

 

ではすでに結婚している夫婦の場合はどうでしょう。

夫が養子になった場合と妻が養子になった場合と取り扱いは同じでしょうか?

 

夫婦は婚姻の際に夫または妻の氏を称します。この規定は婚姻後も引き続き有効になります。

よって夫の氏を選択している次のような取扱いになります。

 

夫が養子になった場合・・・夫の氏も妻の氏も変わります。

妻が養子になった場合・・・妻の氏も夫の氏も変わりません。

 

妻だけ氏が変われば夫婦別姓になってしまいます。

養子縁組による親子関係よりも婚姻関係を重視しているためです。

 

 

そういえば、学生のころ苗字が変わった同級生がいたけどどんな事情だったのかな。

何にせよ名前が変わるっていうのは大きいですね。

 

養子縁組シリーズは今回で終了です。

税理士の手嶋です。

 

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今回も養子縁組についてです。

 

養子縁組は通常、養父・養母の双方と縁組をします。

養父のみあるいは養母のみの場合には、もう一方の同意が必要になります。

 

では一方が認知症で意思表示をできない場合にはどうすればよいのでしょうか?

養子縁組はできないのでしょうか?

 

民法では次のように規定しています。

 

第796条

配偶者のある者が縁組をするには、その配偶者の同意を得なければならない。

ただし、配偶者とともに縁組をする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合は、この限りでない。

 

ただし書きにおいて、意思表示ができない場合には同意を得ることなく養父又は養母のみで縁組ができることになっています。

 

ちなみに役所の戸籍係に提出する養子縁組届には「配偶者が病気により、この縁組について同意の意思表示をすることができない」旨の記載をすることになります。

 

養子縁組の手続きは簡単ですが、軽々しくできることではありませんので慎重な判断が必要です。

また、進め方を間違えると相続人間で争いになることもあります。

 

やはりポイントは関係者には事前に説明することです。

後々トラブルにならないよう十分に注意して行いましょう。

 

税理士の手嶋です。

 

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前回に引き続き養子縁組です。今回は養子の数の制限についてです。

 

民法上は養子の数に制限はありません。何人でも養子にできます。

ちなみに養子の数が増加すると、各相続人の相続分や遺留分割合は減少します。

 

相続税法も民法の相続人を基本としていますが、課税の公平の観点から民法とは異なる相続人の範囲を規定しています。

これはいまの相続税の計算方法は、相続人が多いほど税金が少なくなるからです。

 

相続税法上の養子の数の制限

①     実子がいる場合   ・・・養子の数は1人

②     実子がいない場合・・・養子の数は2人

 

養子の数の制限は、あくまでも相続税の計算上の問題だということです。

ただし自然な関係での養子縁組、連れ子を養子とした場合や特別養子の場合は、養子の数の制限はありません。

 

 

かつて10人以上と養子縁組をするなどの租税回避行為があったため、昭和63年の税制改正において上記の制限が設けられました。

何でもそうですが、やりすぎる人がいるとそれに対する規制ができるのですね。

 

次回も養子縁組についてです。しつこい?!

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